ALTRAIL段ボールパッケージ
昨年パッケージ制作のお手伝いをした、新しい「手すり」を提案するALTRAIL(アルトレール)のご紹介です!
ALTRAILを開発し、製造販売されているTSUGI DESIGNさんまでお話をうかがいに行きました。

まずはこの商品のご紹介。「手すり」です。
普通の手すりではなく、補強板なしで取り付けられ、ライトをつけたりプラスアルファがある、とてもおしゃれかつ機能的な手すり!
ALTRAILは手すりが必要だから付けるという人だけでなく、アイデア次第で何通りもの使い方ができるので、生活に馴染む「手すり」の概念を超えた商品ですよね。
ちなみにネーミングのALTRAIL(アルトレール)は、「ある」「とれる」から来ているそう!おしゃれな名前と思いきや、案外ベタなところが大阪らしくて親しみを感じます。笑


もはや元「手すり」とは思えない!
そもそも、建築家であるTSUGI DESIGNのお二人がなぜ「手すり」の開発に着手したのか、開発秘話やパッケージ制作について改めて聞いてきました。

共同代表の髙橋さんは7年前に脳梗塞になり、右半身の自由がきかなくなりました。自宅にリアルに「手すり」が必要になったことで「どうしてこんなに選択肢がないの?」「一度つけたら移動できなくて不便」など、当事者になって初めて気づいたことがあったそうです。
確かに、手すりをつけてから「やっぱりあと10cm上にしてもらえばよかった」みたいなことはありそうですよね。補強板が無い所には付けれないとか条件があるから、付けたい所に付けることができないこともあるだろうし、現状の手すりだと自由度は低いですよね。

髙木さんも数年前に足の手術をし、松葉杖生活を経験したことで意識が変わったと言います。手すりや杖がないと生活ができない状態。福祉用具は使いやすく作られているけど、シンプルでデザイン性が高いものがなく残念に感じていました。無いなら自分たちで作るしかない!とALTRAIL開発をはじめられたとか。
開発は2年がかりだったそうです。建築家の方がプロダクトの商品開発、製造、販売までするのは本当に大変だったでしょうね。

そんなわけで、以前から髙木さんと知り合いだったこともありパッケージデザインのご依頼を受けたわけですが、設計に関してはどうでした?
デザイン性が高い商品なので蓋を開けた時にできるだけデザインの邪魔をしない、シンプルな感じに仕上がるよう心掛けて設計しました。とはいえ、長いレールは箱ももちろん長くなるわけで・・どんな形状にするのが組み立てやすいのか、強度のことやいろんな角度から設計を考えました。
長さのあるレールとカバーをどう収めるか、ですよね。それに同梱する「たて手すりブラケット」や「クリップ」は小さく、重さも違う。形や材質が違うものを極力無駄のない形状で一つの箱に収めるのはなかなか難しい・・・。

レールの他にブラケットなどいろんな形があったので、緩衝性がありつつもシンプルに固定できる方法を考えました。何度も試作を重ねましたが、これだ!っていう箱と商品を固定するための緩衝材が仕上がった時は一人で小躍りしていました。 笑
パーツが気持ちよく収まった箱は、髙橋さんたちからも歓声があがってましたよね!
いろいろなパッケージデザインに携わりましたが、今回の手すりなど、建材関係は初めてでした。私はパッケージに貼る品種別シールを担当しましたが、在庫管理時に扱いやすいか、商品内容がわかりやすいかなども考えて制作しました。

お話を聞いたあとに嬉しいニュースが!
なんと、ALTRAILが日本建築材料協会で優秀賞 日本建築家協会近畿支部賞を受賞されたそうです!素晴らしい!!!
おめでとうございます!
自分事のように嬉しいです。これを機に沢山の人に知ってもらえたらいいですね。
実はこの商品に携わるまでは「手すり」について深く考えたこともなかったのですが、いつ自分や家族が必要になるかもしれない、それが突然やってくる可能性も大いにあることを痛烈に実感する機会となりました。
そんな時にALTRAILのような選択肢があれば嬉しい。手すりをつけた方がかっこいい空間になる!なんて素敵ではないですか。建築家のお二人が領域を超えて作り出したALTRAIL、求める人にぜひ届いてほしい商品です!
ALTRAIL
https://altrail.jp/




