メロンギフトボックス

奈良県吉野郡下市町で農業を営む「美吉野ファーム」さんのアールスメロンのギフトボックスです。

奈良県の農業に従事する女性に向けて、パッケージデザインのセミナーを行った時に参加されていた美吉野ファームさん。少人数で丁寧にメロンを作られています。
初めて圃場を訪れた時は桜の季節。コロナ禍で外出を控えていた時期だったので、久しぶりの遠出で、吉野の風景にとても癒されました。

近鉄下市口駅から車で山の中へ…
この時はまだメロン栽培前

美吉野ファームさんのメロンへの静かな情熱に感銘を受けつつ、地元・下市町への思いも感じました。デザインの依頼と同時に、「地元の名産品である吉野杉のお箸のカンナ屑を何かに使えないか?という相談があったんですよね。

普段、木型を作る工程でもベニヤ板のカンナ屑は出るのですが、吉野杉のカンナ屑って艶があって品の有るカンナ屑だなと思いました。これを何かに使いたいと思う気持ち、よく分かります。

付近には割り箸の工場が多い
割り箸のカンナ屑

翌月、デザインの提案に行った時にはもうメロンが育ってました!美吉野ファームさんのメロンは1株に1果だけ。そのためマスキングテープで印をされてます。
この1株に1果だけ、というのが甘さや美味しさが凝縮できるんだそう。果汁たっぷりのメロンが脳内に広がります….!

そうして仕上がったパッケージデザインは、「そのまま送ることもでき、ディスプレイにもできる」ダンボールのギフトボックスです。フタがPOPのように立ち上がるところがポイント。

メロンはそこそこ重量もあって水分をたくさん含んでいるので、湿気で箱がふにゃっとならないよう、底が2重になるようにしました。個体差もあるのでサイズ的には少し大き目にはなりますが、箱にしている時も、ディスプレイしている時もカンナ屑の緩衝材が良い感じに効いていて良かったです。現地での組み立てになるので、できるだけ組み立てやすいように考えました。

そうですよね。工業製品みたいに内容物が全て同じサイズではないという点も、農産物のパッケージを作る際に留意しないといけない点ですね。

カンナ屑を緩衝材に(配送用はフルーツキャップも併用)

実はこれまで、メロンの「食べ頃」をあまり意識したことがなく…
今回その「食べ頃」がものすごく重要ということを知りました。なので、パッケージのフタにも食べ頃の日程が記入できるようにしています。そして、買ってすぐ冷蔵庫入れないように!!!

たしかに一番おいしい時に食べて欲しいと生産者の方たちは思ってますよね。
冷たいのを食べたくてついつい買ってすぐに冷蔵庫に入れちゃいますが、ダメなんですね。
今回ですごく勉強になりました。

パッケージができた後、商品撮影も担当したのですが…

撮影風景

撮影後はちゃっかりメロンをいただきました!もちろんカメラマンさんにもお裾分けして。
撮影日の都合で、実は食べ頃よりも2日ほど早かったんですが、十分美味しかったです!

美吉野ファームさんのメロンの販売はお盆明けまで。数量が少ないのでお早めに!

今思い出しても昨年食べたメロン、美味しかったな~ たくさんの方に食べていただきたいです!お早目に~ 

パッケージデザイン 三原美奈子
設計・木型制作 鈴木美奈子(中野木型製作所)
クライアント 美吉野ファーム
2022年

新商品を開発中だけどパッケージの依頼はどうしたらいいのかな?
自社の商材や加工を活かして何かコラボできないかな…
マーケティング視点を取り入れたデザインにしていきたい…